個室サウナについて、こう感じる人は珍しくありません。ただ、「合わなかった」の中身は人によってまったく別のものです。熱さが合わなかった人と、ひとりの時間が長く感じた人と、水風呂が物足りなかった人では、次に行くべき場所が正反対になります。
この記事では、まず何が合わなかったのかを4つに切り分け、それぞれに対して次に試すとよい行き先を挙げます。そのうえで最後に、無理に続けなくてよい場合についても書きます。
まず「合わなかった」を4つに切り分ける
ここを飛ばすと、次も同じことになります。「個室サウナが合わない」ではなく、「個室サウナの何が合わなかったのか」まで降ろしてください。
思い出す手がかりは、「その日、いちばん早く帰りたくなったのは何分ごろだったか」です。入って5分なのか、水風呂に入ったあとなのか、残り20分の時点なのか。そのタイミングが、原因をほぼ言い当てます。
| 感じたこと | いちばん早く帰りたくなった場面 | 本当の原因 |
|---|---|---|
| 苦しい・息がしづらい・すぐ限界が来る | 入って数分以内 | ①環境(熱さ・湿度)が合っていない |
| 手持ち無沙汰・落ち着かない・時間が長い | 2セット目のあたり | ②ひとりの時間の使い方が決まっていない |
| 整わない・すっきりしない・物足りない | サウナを出たあと | ③冷却と休憩の設備が足りていない |
| 急かされる・くつろげない・元が取れた気がしない | 残り時間を意識し始めたとき | ④時間制の枠そのものが合っていない |
① 環境が合わなかった——熱さ・湿度・息苦しさ
入ってすぐ苦しくなった、長くいられなかった、という場合です。これは「サウナが向いていない」ではなく、「その部屋の設定が自分に合っていなかった」だけのことがかなりあります。
先に確かめてほしいこと
- 座る高さ。上段と下段では体感がまったく違います。個室でも段がある部屋なら、下段から試してください
- 温度設定。個室型は自分で操作できることが多く、下げてよいものです。設定と体感の関係は個室サウナの温度は何度がいい?にまとめています
- ロウリュの量。湿度が上がると同じ温度でも体感は強くなります。「苦しい」の正体が湿度だったという例は多いものです
- 1回の時間。長く入るほどよいものではありません。短く切り上げてかまいません
それでも合わないときの行き先
大型のサウナ施設のほうが、部屋が大きく天井が高いぶん、空気が動いていて楽に感じる人がいます。逆に「大型が苦手だから個室に来た」という人もいるので、ここは本当に人によります。一度は試して比べてみる価値があります。違いは個室サウナと公衆浴場のサウナの違いにまとめました。
また、ミストサウナやスチームサウナは、温度が低く湿度が高いタイプです。乾いた高温が苦手だった人が、こちらは平気だったということは珍しくありません。
② ひとりの時間が合わなかった——手持ち無沙汰
これは個室サウナに固有の「合わなさ」です。大型施設には人の気配があり、館内を歩き、休憩所があり、退屈する時間がありません。個室は、そのすべてがありません。
普段から静かにひとりでいる時間を持たない人にとって、90分ひとりで部屋にいるのは、想像以上に長く感じます。これは短所ではなく、単に向き不向きです。
- 枠を短くする。60分の枠がある店を選ぶ。90分は初めてには長いことがあります
- 2人で行く。個室型は2名利用ができる部屋が多くあります。ひとりが合わなかっただけで、貸切という形は合っているかもしれません
- やることを決めて行く。音楽、本、動画。持ち込みの可否は店によって違うので予約前に確認してください
- 時間帯を変える。予定の詰まった日の夜だと、休むより落ち着かないことがあります。予約する時間帯の選び方も参考にしてください
それでも合わないときの行き先
人の気配があるほうが休まるタイプなら、公衆浴場・銭湯のサウナが向いています。料金も個室より抑えられ、滞在時間の制限がゆるいことが多く、休憩所で過ごす時間も含めて「休みに来た」という形が取りやすくなります。
2人以上で行くのが前提なら、貸切タイプ(サウナ施設を時間で借りる形)も選択肢になります。部屋の広さや設備の考え方が個室型とは違うので、個室サウナと貸切サウナの違いを先に読んでおくと選びやすくなります。
③ 冷却と休憩が足りなかった——「整わない」の正体
「整わなかった」と言われるものの多くは、サウナ室ではなく、そのあとで決まっています。冷やす手段と、休む場所。この2つが足りていないと、いくらサウナ室で温まっても、感覚としては物足りないまま終わります。
| その店にあったか | なかった場合に起きること |
|---|---|
| 水風呂 | 体の熱が抜けきらず、ぼんやりした感じだけが残る |
| 冷たいシャワー | 水風呂がなくても代わりになる。ただし温度と時間の工夫が要る |
| 外気浴・休憩できる場所 | ここが最も抜けやすい。座って休む場所がないと、切り替わりが起きにくい |
| 横になれる/足を伸ばせる姿勢 | 椅子しかない場合、休憩が「待ち時間」になってしまう |
それでも合わないときの行き先
冷却と休憩を重視するなら、この点では大型施設に分があります。水風呂の広さ、外気浴のスペース、休憩用の椅子の数。設備の総量で言えば、個室型が構造的に不利な部分です。
そのうえで「人が多いのは苦手だが設備は欲しい」という場合は、時間帯をずらすのが現実的な解決策になります。平日の午前や、深夜帯の運用がある店なら、大型施設でも人が少ない時間があります。
④ 時間制の枠が合わなかった——急かされる感じ
残り時間が気になって落ち着かなかった、元が取れた気がしなかった。これは、個室サウナの売り方そのものと合っていないということです。
個室サウナは「その部屋のその時間」を売る形です。次の枠には別の予約が入っているので、延びません。この形が肌に合わない人には、何度行っても同じ感覚が残ります。
- 着替えと洗体を「枠の中の作業」として最初から時間に入れておく。ここを計算に入れていないと、必ず足りなくなります
- セット数を決めておかない。「3セットやらないと」と思うほど時計を見ることになります
- 最後の10分は何もしないと決めておく。予定を詰めないほうが、結果として満足度は上がります
- その日の最後の予定にする。あとに用事があると、枠の長さにかかわらず急かされます
それでも合わないときの行き先
滞在時間に制限のない、あるいはゆるい形を選ぶことになります。公衆浴場・銭湯のサウナ、サウナのあるホテルの宿泊。とくに宿泊は「時間を気にしない」という一点においては、最も確実な解決策です。
それでも合わないなら、無理に続けなくてよい
ここまで4つの切り分けを書いてきましたが、最後に、いちばん大事なことを書きます。
サウナは、合わない人には合いません。そして、合わないことに何の問題もありません。
「整う」という言葉が広まったことで、「整わないのは入り方が下手だから」という受け取られ方が生まれました。ですが、暑い場所が体質的に苦手な人はいますし、狭い場所が落ち着かない人もいます。これは技術で克服するものではありません。
- ゆっくりめの温度で湯船に入る。短時間で切り上げず、時間をかけるほうが目的には合っています
- ミストサウナ・スチームサウナ。温度が低く湿度が高いタイプ。乾いた高温が苦手な人に向くことがあります
- 足湯・岩盤浴など、体への負荷が穏やかなもの
- そもそも「休む」が目的なら、温めなくてもよい。睡眠・散歩・何もしない時間。目的を先に置くと、手段は入れ替えられます
まとめ——「合わなかった」で終わらせないために
- 「合わない」は4つに分かれる。環境/ひとりの時間/冷却と休憩/時間制の枠
- いちばん早く帰りたくなった場面を思い出すと、原因が特定できる
- 環境が原因なら、まだ個室のまま解決できる余地がある(座る高さ・温度・湿度・時間)
- ひとりが合わないなら、2人利用か、人の気配のある公衆浴場へ
- 冷却と休憩が足りないなら、設備の総量で大型施設に分がある
- 時間制の枠が合わないなら、安い店を探しても解決しない。形を変える
- そして、合わないなら続けなくてよい。目的が「休むこと」なら、手段はいくらでもあります